青い瞳の女王が愛したペンダント・ウォッチ&ブローチ

イギリス・ハノーヴァー朝第6代女王、ヴィクトリアが所有していたのが、七宝による美しい装飾が見事なペンダント・ウォッチ&ブローチである。このモデルは、1851年にロンドンのクリスタル・パレスで開催された世界初の万国博覧会で女王に献上されたとの伝説が残るもの。ケースはイエローゴールド製で、中央にはローズカットのダイヤモンドを使い、ブーケがあしらわれている。環にはケースに合わせたデザインのブローチが付けられているが、この理由は当時の貴婦人たちにとって時計はアクセサリーのひとつであり、ブローチによってドレスに留めるのが主流のスタイルだったためである。

女王の瞳の色がブルーだったことから、鮮やかなエナメルブルーのペンダント・ウォッチに目を留めたという逸話も残されている。

中蓋を開けると、「INVENTION BRÉVETÉE(特許発明)」の文字が刻まれている。これはフランス人天才時計師ジャン‐アンドリアン・フィリップが発明した竜頭によるゼンマイの巻上げと時刻合わせ式機構のこと。この発明こそが、すべての時計の基本機構となり、現在に至っているのである。

ヴィクトリアがこの時計を所有した1851年は、創業者アントワーヌ・ノルベール・ド・パテックと、ジャン-アンドリアン・フィリップの名前を取り、社名を『パテック フィリップ』に改めた年である。

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